停電や瞬間的な電圧低下で、PCの作業データやNASへの書き込みが中断されるのを避けたいなら、無停電電源装置(UPS)が候補になります。選ぶときは「VA」だけでなく「W」の上限も見て、接続する機器の合計消費電力に余裕を持たせることが大切です。
家庭用のPC・NAS向けには、正弦波出力とUSB自動シャットダウン機能を備えたオムロンBYシリーズが選びやすい候補です。小型機器中心ならBY50S、デスクトップPCと周辺機器も保護したいならBY80S、接続機器が多い場合はBY120Sを目安にできます。
本記事はメーカー公表仕様をもとに比較しています。実機レビューではありません。価格・在庫・販売条件は変動するため、購入前に各販売ページを確認してください。
UPSおすすめ3機種の比較早見表
| 機種 | 出力容量 | 出力コンセント | バックアップ時間※ | 向いている使い方 |
|---|---|---|---|---|
| BY50S | 500VA / 300W | 4個 | 定格負荷で3.5分以上 | ルーター・NAS、小型PC |
| BY80S | 800VA / 500W | 4個 | 定格負荷で4分以上 | PCとモニターなどをまとめて保護 |
| BY120S | 1200VA / 720W | 4個 | 定格負荷で4分以上 | 消費電力の大きいPCや複数機器 |
※メーカー仕様上の定格負荷・初期特性での参考時間です。実際の保持時間は接続機器の消費電力、バッテリー状態、温度などで変わります。停電中に長時間使い続けるためではなく、安全に保存・シャットダウンする時間を確保する機器として選びましょう。
各モデルとも出力容量のVA値とW値の両方が上限です。PC、ディスプレイ、NAS、ルーターなど、停電時にも電源を維持したい機器だけを合計し、機器側の最大消費電力がUPSのW上限を超えないことを先に確認してください。
ルーターや小型NASなど、消費電力を抑えた構成を保護したい人向け。UPSを初めて導入する場合の小容量候補です。
デスクトップPCとモニターなど、BY50Sでは容量が足りない構成を検討する人向け。合計負荷を計算して選びます。
最大720Wまでの構成を検討する人向け。筐体が大きく重くなるため、設置スペースとコンセント数も確認してください。
用途別のおすすめ
ルーターや小型NAS中心ならBY50S
BY50Sは500VA / 300W、出力コンセント4個の小型候補です。オムロンの仕様ではバックアップ運転時に正弦波を出力し、USB通信インターフェースを備えます。接続機器の消費電力が300W以下かを確認し、PCもつなぐ場合はPC本体の最大消費電力を必ず加算してください。
PCとモニターを一緒に保護するならBY80S
BY80Sは800VA / 500Wです。デスクトップPCとディスプレイ、ネットワーク機器を一台で保護したい場合に、BY50Sから容量を上げる判断ができます。BY80Sは質量約6.4kgで、自然空冷・ファンなしの仕様です。配置場所の寸法と放熱スペースも確認しましょう。
高負荷構成ならBY120S
BY120Sは1200VA / 720Wで、3機種の中では最大容量です。高性能デスクトップや接続台数の多い構成を想定する人向けですが、容量が大きいほど全員に適するわけではありません。定格負荷が小さい環境で過剰な容量にならないよう、実際につなぐ機器の消費電力を先に合計します。
UPSの選び方で確認する4点
1. VAとWの両方に余裕を持たせる
VAは皮相電力、Wは実際に供給できる有効電力の上限です。電源容量表示の大きいPCでも、常時その最大値を消費するとは限りませんが、仕様上の最大負荷を想定して選びます。接続予定機器の定格消費電力を合計し、UPSのVA・W双方の上限を下回るようにします。
2. バッテリー保持時間を「保存・終了用」と考える
カタログの保持時間は定格負荷など条件をそろえた参考値です。実際は負荷が軽いほど長くなりますが、PCやNASを長時間動かす電源としては見積もらないでください。UPSの目的は、瞬停を吸収し、作業保存や安全なシャットダウンを行う猶予を作ることです。
3. 自動シャットダウンの対応OS・接続方法を確認する
UPSとPCをUSBで接続しても、対応OSやソフトウェア設定が必要です。NASをつなぐ場合も、NAS側がUPS連携に対応するか、USB通信によるシャットダウン設定ができるかを機種ごとに確認してください。ルーターなど通信機器だけを給電しても、ONUや回線終端装置が停電すればインターネットは維持できない場合があります。
4. バッテリー交換・保証・設置条件を見る
鉛バッテリーは消耗品です。交換用バッテリの型番と費用、交換方法、保証期間、動作温度を購入前に確認します。UPSは重量があり、バッテリー寿命にも温度が影響するため、通気のある安定した場所へ設置してください。
向いている人・向いていない人
向いている人
- デスクトップPCやNASの作業中に停電・瞬停対策をしたい
- 突然の電源断によるデータ破損リスクを減らしたい
- 停電時に安全な終了操作ができる時間を確保したい
向いていない人
- 停電時もPCを何時間も使い続けたい
- 接続機器の消費電力や自動停止の対応を調べずに購入したい
- 交換バッテリーや本体の置き場所を確保できない
よくある質問
NASだけでもUPSは必要ですか?
停電時もNASを正常終了させたい場合は選択肢になります。NAS本体の消費電力に加え、UPS連携の対応状況とシャットダウン設定を確認してください。RAID構成でもバックアップの代わりにはならないため、別媒体やクラウドへのバックアップも必要です。
UPSにつなげば停電中も通常通り作業できますか?
短時間のバックアップ電源です。保持時間は負荷やバッテリー状態で変化します。作業継続を前提にせず、保存・終了・NASの停止に使うものとして検討してください。
どのモデルにすればよいですか?
接続機器の合計負荷が300W以下ならBY50S、500W以下ならBY80S、より大きい負荷ならBY120Sが比較候補です。これは上限だけで決める目安で、VA上限、機器の起動時電力、必要な保持時間も確認が必要です。
まとめ:接続負荷から容量を決める
UPSはモデル名やVAだけで選ばず、停電時に給電したい機器を決めてVA・Wの両方を照合しましょう。小型機器中心ならBY50S、PCとモニターもまとめるならBY80S、高負荷構成ならBY120Sが比較候補です。保持時間を長時間運転と見なさず、自動シャットダウンとバッテリー交換条件も購入前に確認してください。
NASの容量・バックアップ方法から検討したい場合は2ベイNASおすすめ3選、ノートPC周辺機器を用途から探す場合はノートPCのUSB-C周辺機器ガイドも参考になります。

